こじらせ部屋からの脱出

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【書評】「続・インタフェースデザインの心理学」で学べるのは、人の動機・関心・感じ方

www.oreilly.co.jp

読みました。

シリーズ前作についての書評は下記になります。
m-w-matrixa.hatenablog.com

コンセプトは前作と同様。
人の考え方感じ方にまつわるルール・共通点について、心理学・社会学に基づく最新の調査結果を紹介してくれる本です。
個人的にこういう本、読まずにいられないんですよね。

概要

目次は以下の通り

1章  人はどう見るか
2章  人はどう考え記憶するか
3章  人はどう決めるか
4章  人はどう情報を読み理解するか
5章  人は物語にどう影響されるか
6章  人は他人や技術とどう関わり合うか
7章  創造性はデザインにどう影響するか
8章  人体はデザインにどう影響するか
9章  人はものをどう選び買うか
10章 世代、地域、性別はデザインにどう影響するか
11章 人はインタフェースやデバイスとどうやり取りするか

このうち、大変興味深かったトピックスを3点紹介します。

好まれるデザインって?

人は基本的に曲線を含むデザインを好むんだそうです。
これは尖った形状と違い生物的に安心感を感じているからだとか。
また男性には顔に限らずモノでもなんでも左右対称が好まれるそうです。
ちなみに女性は顔に対しては確かに対称性を重視するが、モノに対してはそうでもないとも。
なお左右非対称が必ず悪いわけではなく、ハッと注意をひく利点があるそうですよ。

私のアイコン左右対称はともかくくっそ四角いんですが…
これを機に変えてみようかな。

人を動かすパワフルな物語の仕組み

人はデータよりもストーリーに説得されやすいというのはよく言われる話ですが、とくに起承転結の物語は 
・上昇部分とクライマックスでコルチゾール
・下降展開と結末でオキトキシン
が分泌されるんだそうです。
コルチゾールは緊張・収縮させるストレス物質として、
オキトキシンは共感・やさしさの愛のホルモンとしてそれぞれ有名ですね。
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イメージこんな感じ。うまい。
コルチゾールで注意を引き付け続けることで視聴者との同一視や感情移入が起こり
そのあとの下降部や結末でオキトキシンが分泌され共感が生まれます。
ちなみに主役が誰なのかを明確にすると、より移入を促す効果が大きいそうですよ。
巨悪退治、成り上がりなどの典型的プロットの例も載っていて納得感ありました。

「もう記憶力がだめで新しいこと覚えられないんじゃよ」


高齢者が新しいことにチャレンジできなくなるのは
記憶力が低下したから ではなく 
記憶力に自信がなくなり、自分の記憶力に頼ることに不安があるためだそうです。
これを逆手にとると、記憶力に自信を持てればいつまでも新しいことにチャレンジできるし、
年齢にかかわらず記憶力ダメダメだと思い込んでいると、どんどん新しいことに及び腰になってしまうかも。
新しいことを始めるということ自体が脳にいい影響をもたらすともいいますし、
「記憶力とかむしろどんどんよくなってきたし、また新しいことやってみっか!」
と無理にでも思い込んでみる
のは、案外いいスパイラルを生むかもしれませんよ。

終わりに

書籍にはこれ以外にもたくさんの興味深いコンテンツが目白押しでした。
人の感じ方や動かし方に興味がある方は、ぜひご一読。